分詞構文

このセクションのポイント:

  • 分詞を用いて、接続詞を使わずに2つの文(主に主節と副詞節)を簡潔に結びつける構文。
  • 文の副詞句として働き、時・理由・条件・譲歩・付帯状況などの意味を表す。
  • 作り方: ①接続詞を取る ②副詞節の主語が主節と同じなら取る ③副詞節の動詞を-ing形にする(受動態はBeingが省略され過去分詞で始まることが多い)。
  • 完了分詞構文 (Having + 過去分詞) は主節より前の時を表す。
  • 独立分詞構文は、分詞構文の意味上の主語が主節の主語と異なる場合に、その主語を分詞の前に置く。

分詞を用いて、接続詞を使わずに2つの文 (主に主節と副詞節) を簡潔に結びつける構文です 。文の副詞句として働き、時・理由・条件・譲歩・付帯状況などの意味を表します 。

基本的な作り方

  1. 副詞節の接続詞 (when, while, because, as, since, if, thoughなど) を取る
  2. 副詞節の主語が主節の主語と同じなら副詞節の主語を取る。(異なる場合は残す→独立分詞構文)
  3. 副詞節の動詞を現在分詞 (-ing形) に変える。
    • 副詞節が受動態 (be+過去分詞) の場合: Being + 過去分詞となり、Being は通常省略されます
    • 副詞節が完了形 (have+過去分詞) の場合: Having + 過去分詞とします (完了分詞構文) 。
    • 副詞節が完了形の受動態 (have been +過去分詞) の場合: Having been + 過去分詞となり、Having been はしばしば省略されます

分詞構文の意味と判断 文脈から判断するのが基本ですが、接続詞を補うことで意味を明確にできる場合があります 。必要に応じて接続詞 (While, When, Though など) を分詞の前に残すこともあります 。

  • 時 「~とき」「~しながら」 (when, while, as)
    • 例: Opening the window, I saw a beautiful bird. (窓を開けたとき、美しい鳥が見えた。) (When I opened …)
    • 例: Waiting for the bus, she read a magazine. (バスを待ちながら、彼女は雑誌を読んだ。) (While she was waiting…)
  • 理由・原因 「~なので」 (because, as, since)
    • 例: Being sick, I couldn’t attend the meeting. (病気だったので、会議に出席できなかった。) (As I was sick …) (Beingは省略可)
    • 例: Not knowing his address, I couldn’t write to him. (彼の住所を知らなかったので、手紙を書けなかった。) (= Because I didn’t know…)
  • 条件 「もし~ならば」 (if)
    • 例: Used properly, this tool can be very useful. (適切に使えば、この道具はとても役に立つ。) (If it is used properly … Beingが省略)
    • 例: Turning left here, you’ll see the bank. (ここを左に曲がれば、銀行が見えます。) (If you turn left here …)
  • 譲歩 「~だけれども」 (though, although, even though)
    • 例: Living near his house, I seldom see him. (彼の家の近くに住んでいるけれども、めったに彼に会わない。) (Though I live …)
    • 例: Admitting his talent, I don’t think he is suitable for the job. (彼の才能は認めるが、その仕事に適しているとは思わない。) (Though I admit …)
    • ※譲歩の意味を明確にするため、接続詞 Though/Although を分詞の前に残すことも多いです 。
  • 付帯状況 「~しながら」「そして~する」 (and, while)
    • 例: She walked out of the room, slamming the door. (彼女はドアをバタンと閉めて部屋を出て行った。)
    • 例: He fell asleep, listening to the radio. (彼はラジオを聞きながら眠ってしまった。)
    • 例: The typhoon hit the coast, causing great damage. (台風は沿岸部を襲い、大きな被害をもたらした。) [連続動作・結果]

完了分詞構文 <Having + 過去分詞> 分詞構文が表す時が、主節の動詞の表す時よりも「前の時」であることを明確に示す場合に用います 。「~した後で」「~したので」の意味が多いです 。

  • 例: Having read the book, I returned it to the library. (その本を読んだ後、図書館に返した。) (After I had read the book…)
  • 例: Having failed several times, he didn’t want to try again. (数回失敗したので、彼はもう一度挑戦したくなかった。) (Because he had failed …)

受動態の分詞構文 <(Being / Having been) + 過去分詞> 分詞構文が受動態の場合、Being や Having been は通常省略され、過去分詞で始まることが多いです 。

  • 例: Built on a hill, the house commands a fine view. (丘の上に建てられているので、その家は見晴らしが良い。) (As it is built … Beingが省略)
  • 例: Left alone, the baby began to cry. (一人にされると、その赤ん坊は泣き始めた。) (When he/she was left alone … Beingが省略)
  • 例: (Having been) Invited to the party, I decided to go. (パーティーに招待されたので、行くことにした。) (As I had been invited … Having beenは省略可)

分詞構文の否定 分詞の直前に notnever を置きます 。

  • 例: Not feeling well, she stayed home. (気分が良くなかったので、彼女は家にいた。)
  • 例: Never having seen snow before, he was very excited. (以前に雪を見たことがなかったので、彼はとても興奮した。)

独立分詞構文 分詞構文の意味上の主語が、主節の主語と異なる場合、意味上の主語を分詞の前に省略せずに置きます 。

  • 基本的な形: <主語 + 現在分詞/過去分詞/being ...>
    • 例: The weather being nice, we went hiking. (天気が良かったので、私たちはハイキングに行った。) (As the weather was nice…)
    • 例: Class finished, the students rushed out of the room. (授業が終わると、生徒たちは教室から駆け出した。) (When class was finished … Beingが省略)
    • 例: Other conditions being equal, this method is better. (他の条件が同じなら、こちらの方法が良い。) (If other conditions are equal …)
  • 独立分詞構文の慣用表現: 特定の主語と分詞が結びつき、文全体を修飾する副詞句として使われるもの 。 **(Generally speaking, Strictly speaking, Judging from, Considering など。詳細は教材の表 をご参照ください。)

with + O + C (付帯状況) <with + 目的語(O) + 補語(C)> の形で、主節の動作や状態と同時に起こっている状況 (付帯状況) を表します 。「Oを~の状態にして」「Oが~する/される状態で」という意味になります 。Cには現在分詞・過去分詞・形容詞・副詞・前置詞句などが来ます 。OとCの関係が能動なら現在分詞、受動なら過去分詞を用います 。

  • 例: He sat on the bench with his eyes closed. (彼は目を閉じてペンチに座っていた。) [O = his eyes, C = closed (過去分詞:受動)]
  • 例: The children were listening to the story with their eyes shining. (子供たちは目を輝かせながらその話を聞いていた。) [O = their eyes, C = shining (現在分詞:能動)]
  • 例: She was walking with a map in her hand. (彼女は手に地図を持って歩いていた。) [O = a map, C = in her hand (前置詞句)]
  • 例: Don’t talk with your mouth full. (口にものをいっぱい入れて話してはいけない。) [O = your mouth, C = full (形容詞)]
  • 例: He stood with his hands in his pockets. (彼はポケットに手を入れて立っていた。) [O = his hands, C = in his pockets (前置詞句)]

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