このセクションのポイント:
英語の時制を理解する上で重要なのは、日本語の「~する」「~した」「~だろう」といった単純な対応ではなく、英語話者が時間をどのように捉え、表現しているかという感覚を掴むことです。「時 (Time)」「時制 (Tense)」「相 (Aspect)」という概念を区別して理解することが助けとなります。
- 時 (Time): 私たちが認識している客観的な時間の流れであり、過去・現在・未来の3つがあります。これは多くの言語で共通の概念です。
- 時制 (Tense): 動詞の形を変化させることで、出来事が起こる時間的な位置 (時点) を示す文法形式。英語の時制は、動詞の形態変化に基づく分類では、基本的に現在時制と過去時制の2種類であるとされます。(未来を表す特定の動詞形態はないため、「未来時制」は存在しないという考え方が主流。未来のことは「未来表現」として扱います。) 時制は、時間を「点」として捉えるイメージです。
- 相 (Aspect): 出来事の様相、つまり、その出来事が時間の流れの中でどのように展開するか (始まったばかりか、継続中か、完了したかなど) を示す文法形式。英語では主に単純相・進行相・完了相が区別されます。相は、時間を「線」や「範囲」として捉えるイメージです。
時制と相の組み合わせ 英語では、2つの時制 (現在・過去) と、3つの相 (単純・進行・完了) を組み合わせることで、様々な時間表現を作り出します。
相\時制 | 現在時制 | 過去時制 |
---|---|---|
単純相 | 現在形 (V / V-s) (例: walk / walks) | 過去形 (V-ed) (例: walked) |
進行相 | 現在進行形 (am/is/are + V-ing) (例: am walking) | 過去進行形 (was/were + V-ing) (例: was walking) |
完了相 | 現在完了形 (have/has + V-pp) (例: have walked) | 過去完了形 (had + V-pp) (例: had walked) |
完了進行相 | 現在完了進行形 (have/has been + V-ing) (例: have been walking) | 過去完了進行形 (had been + V-ing) (例: had been walking) |
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