制限用法と非制限用法

このセクションのポイント:

  • 関係代名詞の用法には、先行詞を限定する「制限用法」カンマなし)と、補足説明を加える「非制限用法」カンマあり)がある。
  • 制限用法は先行詞の特定に不可欠な情報を提供し、訳は後ろから前にかかることが多い。thatも使え、目的格は省略可能。
  • 非制限用法は先行詞(既に特定されていることが多い)に補足情報を加え、訳は前から訳し下ろす。thatは使えず、関係代名詞の省略も不可。
  • 非制限用法の which は、直前の名詞だけでなく、前の節や文全体を先行詞とすることができる。
  • <数量詞/名詞 + of + whom/which> の非制限用法は、先行詞の一部について述べる。

関係代名詞の用法には、先行詞を限定する制限用法 (Restrictive) と、先行詞に補足的な説明を加える非制限用法 (Non-restrictive) があり、カンマの有無で区別されます

制限用法 (カンマなし)

  • 関係詞節が先行詞を特定するために不可欠な情報を提供します 。「~するところの(先行詞)」のように、後ろから先行詞を限定します 。
  • 訳し方: 後ろから前に修飾するように訳すことが多いです 。
  • 例: I have a son who lives in Osaka. (私には大阪に住んでいる息子がいる。) (他にも息子がいる可能性を示唆。「どの息子か」を特定している。)
  • who, whom, which, that, whose が使えます 。目的格は省略可能です 。

非制限用法 (カンマあり)

  • 関係詞節が先行詞についての補足的な情報を付け加えます 。先行詞はすでに特定されていることが多いです (固有名詞など) 。
  • 訳し方: 「(先行詞), そしてその人[それ]は~」のように、前から訳し下ろすことが多いです 。接続詞(and, but, though など) + 代名詞 (it, he, she, they など) で言い換え可能な場合があります 。
  • 例: I have a son, who lives in Osaka. (私には息子が一人いて、彼は大阪に住んでいる。) (息子は一人だけであることを示唆。「息子について、追加情報ですが」というニュアンス。)
  • 例: This is Tokyo Tower, which was built in 1958. (これは東京タワーで、1958年に建てられた。) (… and it was built…)
  • who, whom, which, whose が使えます (that は不可) 。
  • 関係代名詞の省略はできません 。

注意すべき非制限用法

  • 前の文脈 (語句・節・文全体) を先行詞とする which: 非制限用法の which は、直前の名詞だけでなく、前の節や文全体の内容を受けて「そしてそのことは~」と続けることができます 。
    • 例: He said he was busy, which was a lie. (彼は忙しいと言ったが、それは嘘だった。) (which = He said he was busy ということ全体)
    • 例: She suddenly burst into tears, which surprised everyone. (彼女は突然泣き出し、そのことは皆を驚かせた。) (which = She suddenly burst into tears ということ全体)
  • <数量詞/名詞 + of + whom/which>: 非制限用法で、先行詞の一部や特定のものについて述べる場合に用います 。
    • 例: I have three sisters, one of whom is a doctor. (私には3人の姉妹がいて、そのうちの一人は医者だ。) (=… and one of them is a doctor.)
    • 例: He bought ten books, some of which were very expensive. (彼は10冊の本を買い、そのうちのいくつかは非常に高価だった。) (=… and some of them were …)

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