従位接続詞 (従属接続詞)

このセクションのポイント:

  • 従位接続詞は、主節と従属節を結びつける。
  • 従属節は、それだけでは文として完結せず、主節の一部として名詞節または副詞節の働きをする。

主節と従属節を結びつける接続詞です。 従属節は、それだけでは文として完結せず、主節の一部として名詞節または副詞節の働きをします。

名詞節を導く従位接続詞

ポイント

  • 接続詞が導く節全体が、文中で一つの名詞として扱われ、主語(S)・目的語(O)・補語(C)・同格節になる。
  • that (~ということ): 事実や確定的な内容を表す。目的語になるthat節のthatはしばしば省略される。
  • if / whether (~かどうか): 不確かな内容や疑問を表す。whetherの方が用法が広い。
  • 疑問詞 (who, what, whenなど): 間接疑問文を作り、「誰が~か」「何を~か」などの名詞節になる。語順は「疑問詞+S+V…」。

接続詞が導く節全体が、文中の一つの名詞として扱われ、主語(S)・目的語(O)・補語(C)・同格節になります。

  • that (〜ということ): 事実や確定的な内容を表します。
    • 主語: That he is honest is certain. (彼が正直であることは確かだ。)
      (形式主語 It を用いて It is certain that he is honest. とするのが普通。)
    • 目的語: I know that he is honest. (私は彼が正直であることを知っている。)
      【注意】目的語になる that 節の that はしばしば省略されます。
      I know he is honest.
    • 補語: The problem is that we don’t have enough time. (問題は私たちに十分な時間がないということだ。)
    • 同格: The news that he won the prize surprised us. (彼が賞を獲得したという知らせは私たちを驚かせた。)
      (the news = that he won the prizeの関係。news, fact, idea, belief, hope などの名詞に続きます。)
  • if / whether (〜かどうか): 不確かな内容や疑問を表します。
    • 目的語: I don’t know if [whether] he will come. (彼が来るかどうか知らない。)
    • 【使い分けのポイント】
      • if: 動詞の目的語になる場合にのみ用いられます。
      • whether: 主語, 目的語, 補語, 前置詞の目的語、同格節になれます。
      • or not との結びつき: whether は whether… or not や whether or not… の形が可能ですが、if は通常 if … or not のみです。
      • 不定詞との結びつき: whether to do は可能ですが, if to doは不可です。
    • 主語: Whether he agrees or not doesn’t matter. (彼が同意するかどうかは問題ではない。)
    • 補語: The question is whether we should start now. (問題は私たちが今始めるべきかどうかだ。)
    • 前置詞の目的語: It depends on whether it rains. (雨が降るかどうかによる。)
  • 疑問詞 (who, what, when, where, why, how, which, whose): 疑問詞で始まる節が文の一部となり、名詞節 (間接疑問文) を作ります。 「誰が~か」「何を~か」「いつ~か」など。
    • 語順: <疑問詞+S+V...> の語順になることに注意が必要です。(疑問文の語順ではありません)
    • 主語: When he will arrive is uncertain. (彼がいつ到着するかは不確かだ。)
    • 目的語: Please tell me where you live. (どこに住んでいるか教えてください。)
    • 補語: The problem is how we can get the tickets. (問題はどうすればそのチケットを手に入れられるかだ。)

副詞節を導く従位接続詞

時を表す接続詞

  • 「時」を表す副詞節を導く様々な接続詞がある。
  • when (~するとき), while (~する間、一方では), as (~するとき、~するにつれて), before/after, since (~以来), until/till (~までずっと), as soon as (~するとすぐに) など。
  • 「時・条件を表す副詞節中では、未来の内容でも原則として現在形を用いる」というルールに注意。
接続詞主な意味・ニュアンス
when(~するとき): 最も一般的
while(~する間): 比較的長い期間の継続的な動作・状態。対比「一方では」の意味も重要。
as(~するとき、~するにつれて、~するように): 同時性や比例関係を表す。理由「~なので」、様態「~のように」の意味も持つ多義語。
before / after(~する前に) / (~した後に)
since(~して以来): 過去のある時点から現在までの継続。主節は現在完了形になることが多い。理由「~なので」の意味もある。
until / till(~するまでずっと): ある時点までの動作・状態の継続。tillはより口語的。
as soon as / the moment / the instant(~するとすぐに)
by the time (that) …(~する時までには): その時までの動作の完了。主節は未来完了形や過去完了形になることが多い。
every time / each time(~するときはいつも)
once(いったん~すると)
no sooner … than 〜 / hardly … when (~するとすぐに) 準否定語が文頭に来ると倒置が起こる。
例: Scarcely had I opened the door when the phone started to ring.

【例文】

  • Strike the iron while it is hot. (鉄は熱いうちに打て。)
  • As I grow older, I need less sleep. (年をとるにつれて、睡眠時間が少なくて済む。)
  • I have lived here since I was born. (生まれてからずっとここに住んでいる。)
  • Please wait here until [till] I come back. (私が戻るまでここで待っていてください。)
  • Call me as soon as you arrive. (着いたらすぐに電話してください。)
  • By the time you get this letter, I will have left Japan. (あなたがこの手紙を受け取る頃までには、私は日本を発っているでしょう。)
  • 【注意】時・条件を表す副詞節中では、未来の内容でも原則として現在形を用います (will は使いません)。
    • 例: I will call you when he arrives. (彼が到着したら電話します。) (× when he will arrive)

【補足】「〜するとすぐに」系は他にもある。
SV を伴う:as soon as / the moment / the instant / the minute / the second / instantly / directly
/immediately / once / just(right) after
それ以外:on(upon) Ving

条件を表す接続詞

  • 「条件」を表す副詞節を導く。
  • if (もし~ならば), unless (もし~でなければ), once (いったん~すれば), as long as (~する限りは), in case (~する場合に備えて) など。
  • 時の接続詞と同様、未来の内容でも原則として現在形を用いる。
接続詞主な意味・ニュアンス
if(もし~ならば): 最も一般的
unless(もし~でなければ): = if … not
once(いったん~すれば)
as [so] long as(~する限りは、~でありさえすれば)
in case (that)(~する場合に備えて、~するといけないから): 予防的な条件。
supposing [suppose] (that) / providing [provided] (that)(もし~ならば) (やや硬い表現)
on condition that…(~という条件で)

【例文】

  • If it is fine tomorrow, let’s go hiking. (もし明日晴れたら、ハイキングに行こう。)
  • You can’t enter unless you have a ticket. (チケットがなければ入れません。) (=… if you don’t have a ticket.)
  • Once you start, you must finish it. (いったん始めたら、終えなければならない。)
  • You may borrow my car as long as you drive carefully. (注意して運転する限り、私の車を借りてもいいですよ。)
  • Take an umbrella in case it rains. (雨が降るといけないから傘を持っていきなさい。)

【注意】時を表す副詞節と同様、未来の内容でも原則として現在形を用います。

原因・理由を表す接続詞

  • 「原因・理由」を表す副詞節を導く。
  • because (~だから、直接的理由), since (~だから、自明の理由), as (~なので、やや弱い理由), for (というのは~だから、後付けの理由), now that (今や~なので) など。
  • in that (~という点において) は理由・根拠を補足的に説明する。
接続詞主な意味・ニュアンス
because(~だから): 最も一般的で、直接的な理由・原因を明確に示す
since(~だから、~である以上): 相手も知っているような、あるいは自明の理由。文頭に置かれることも多い。
as(~なので): because や sinceよりやや弱い理由。時・様態の意味もあるので文脈注意。
for(~だから): 後付けの理由、判断の根拠、補足的な説明。主節の後ろに置き、前にカンマ(,)を伴うのが原則。文頭には用いない。
now that…(今や~なので): 現在から見た理由・状況の変化
in that…(~という点において): 理由・根拠を補足的に説明する。

【例文】

  • I stayed home because I felt sick. (気分が悪かったので家にいた。)
  • Since you are tired, you should take a rest. (疲れているのだから、休むべきだ。)
  • He seemed very happy, for he was smiling broadly. (彼はとても幸せそうだった。というのも、満面の笑みを浮かべていたからだ。)
  • As it was getting dark, we decided to go back. (暗くなってきたので、私たちは戻ることにした。)
  • Now that you are here, I feel safe. (あなたがここにいてくれるので、安心です。)
  • He is like his father in that both are stubborn. (二人とも頑固であるという点で、彼は父親に似ている。)

譲歩・対比を表す接続詞

  • 「譲歩(~だけれども)」や「対比(~である一方)」を表す副詞節を導く。
  • though/although/even though (~だけれども), while/whereas (~である一方、対比), even if (たとえ~だとしても), whether A or B (AであろうとBであろうと), No matter + 疑問詞 (何が~しようとも) など。
  • 「形容詞/副詞/名詞(無冠詞) + as [though] + S + V」の倒置構文も譲歩を表す。
接続詞主な意味・ニュアンス
though / although / even though(~だけれども): 譲歩。although はやや硬く, even thoughは強調。though は口語的で文末にも置ける。
while / whereas(~である一方、~だけれども): 対比を明確に示す。whereas はより硬い表現。
even if(たとえ~だとしても): 仮定的な譲歩
whether A or B [not](AであろうとBであろうと): 選択的な譲歩
No matter + 疑問詞(誰が何を/いつ/どこで/どんなに~しようとも) (= 疑問詞+-ever)
形容詞/副詞/名詞(無冠詞) + as [though] + S + V …(~だけれども) (倒置構文の一種)

【例文】

  • Though [Although] it rained, we enjoyed the picnic. (雨が降ったけれども、私たちはピクニックを楽しんだ。) He failed the exam, though. (しかし彼は試験に落ちた。)
  • Some people like cities, while [whereas] others prefer the countryside. (都会が好きな人もいれば、田舎を好む人もいる。)
  • I will go even if it snows. (たとえ雪が降っても行きます。)
  • Whether you like it or not, you have to do it. (好むと好まざるとにかかわらず、それをしなければならない。)
  • No matter what happens, stay calm. (何が起ころうとも、冷静でいなさい。)
  • Rich as he is, he is not happy. (Though he is rich…) (彼はお金持ちだけれども、幸せではない。)

目的を表す接続詞

  • 「目的(~するために、~するように)」を表す副詞節を導く。
  • so that S may [can, will] … (~するために、最も一般的)。
  • in order that S may [can, will] … (~するために、やや硬い)。
  • lest S (should) … (~しないように、否定的な目的)。
  • 不定詞の副詞的用法でも目的は表せる。
接続詞主な意味・ニュアンス
so that S may [can, will] …(~するために、~するように): 最も一般的。may, can, will などの助動詞を伴うことが多い。
in order that S may [can, will] …(~するために): so that… よりやや硬い表現。
lest S (should) …(~しないように): 否定的な目的。should を用いるか、動詞の原形が続くことが多い。
in case S should…(~する場合に備えて、~するといけないから): 目的というより予防措置。

【例文】

  • Speak clearly so that everyone can hear you. (皆に聞こえるようにはっきりと話しなさい。)
  • We booked early in order that we could get good seats. (良い席が取れるように、私たちは早く予約した。)
  • He studied hard lest he (should) fail the exam. (試験に落ちないように、彼は一生懸命勉強した。)
  • 【注意】不定詞の副詞的用法 (to do, in order to do, so as to do) でも目的を表せます。

結果・程度を表す接続詞

  • 「結果・程度(非常に~なので・・・だ)」を表す副詞節を導く。
  • so + 形容詞/副詞 + that …
  • such + (a/an) + (形容詞) + 名詞 + that …
  • so と such の使い分けに注意 (so の後は形容詞/副詞、such の後は名詞句)。
接続詞・構文主な意味・ニュアンス
so + 形容詞/副詞 + that …(非常に~なので・・・だ)
such + (a/an) + (形容詞) + 名詞 + that …(非常に~な名詞なので・・・だ)

【例文】

  • He was so tired that he fell asleep immediately. (彼はとても疲れていたので、すぐに眠ってしまった。)
  • It was such a beautiful day that we went for a walk. (とても良い天気だったので、私たちは散歩に出かけた。)

【注意】soとsuchの使い分け: so の後は形容詞・副詞, such の後は名詞(句)が来ます。語順に注意 (such a/an 形 名, so 形 a/an 名)。

様態・比例を表す接続詞

  • 目的の so that… (~するために) と混同しないこと。結果のthat 節の前には通常カンマはつかない。
  • 「様態(~のように)」や「比例(~するにつれて)」を表す副詞節を導く。
  • as (~のように、~するとおりに)。
  • as if / as though (まるで~かのように、仮定法を伴うことが多い)。
  • as (~するにつれて、比例)。
接続詞主な意味・ニュアンス
as(~のように、~するとおりに): 様態。
as if / as though(まるで~かのように): 事実に反する仮定 (仮定法)を伴うことが多い。
as(~するにつれて): 比例。

【例文】

  • Do in Rome as the Romans do. (郷に入っては郷に従え。)
  • He talks as if [as though] he knew everything. (彼はまるで何でも知っているかのように話す。) [仮定法過去]
  • As time went by, she became more beautiful. (時が経つにつれて、彼女はますます美しくなった。)

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